diff --git a/_posts/2024-11-01-getting-by-somehow.md b/_posts/2024-11-01-getting-by-somehow.md new file mode 100644 index 0000000..362d086 --- /dev/null +++ b/_posts/2024-11-01-getting-by-somehow.md @@ -0,0 +1,35 @@ +--- +layout: post +title: なんとかやってるよ +image: /assets/images/ogp_default.png +author: 夕凪らこ +category: 夕凪らこ +emoji: 🥛 +--- + +
そちらでも元気に過ごされてますか? 元気だよって返事しないと
+ +高いビル見上げることが習慣で東京の人にまだなれない
+ +可愛いと言われ振り向く白い犬、君も愛され育ったんだね
+ +眠ったりお話したり終電はがたんごとんと夜の揺り籠
+ +青白い空の帳が下りてきて眠れないまま今日が始まる
+ +この先は区も苦も違う標識を見上げたままの二時の街路樹
+ +鏡にも街の香りは映されずシンメトリーの暗号のまま
+ +息を吐くガラスの城の主を手折る手動開閉式エレベーター
+ +牛たちは飼う人もなくタクシーを待つ右の手を構いもせずに
+ +神様のアイスを食べる 噴水は反射を拒む水夫の悪夢
+ +郊外のレモン工場はすべて星 耳の奥から鳩の声がする
+ +神さまは二段ベッドの上のほうと下のほうならどちらが好きか
+ +非常口のネオンが光る 踊り場と名をつけられた場所で踊った
+ +パチパチが入ったアイスを食べてから爪が伸びるのが今日もはやくて
+ +公園でいちばん高い場所に行く ぼくたちわたしたちのハネムーン
+ +ポッケに手入れれば増える忘れ物まどろむ猫はもういなくて
+ +小説を三周したあと映画観ずひとり聳えるホグワーツ
+ +梔子の匂いもわからず広告の光に濡れて輪へと溶けゆく
+ +突き抜けた銀の螺旋の遊園の地下六階で陽匂をさがす
+ +つつがない日々の腹いせ置き去ってバンダナ巻けずうつむく英世
+ +もこもこのシャッター街で待ち合わせ「また会えるよね?」「麻酔が効けば。」
+ +アスファルトをマグマに見立てて遊び スクランブル交差点で死ぬ
+ +ジャングルと呼ぶには乾きすぎてるし、砂漠にしては星が見えない。
+ +天空のオフィスの灯りは消えない 雲間を歩くペガサスのため
+ +まるまると肥えふとってるネズミから田舎の友へ手紙が届く
+ +人波を縫えずにすすむ交差点溺れかけたら声が遠のく
+ +引っ越したばかりの町の靴擦れのような日々には金木犀を
+ +終電がやけにまぶしい知らんけど天国に行くときの明るさ
+ +フェンスの隙間 片われだけの手袋が拾われたときの夢をみている
+ +両足と両目で徐々につかまえて街のかたちを構築すれば
+ +埋め立てて最近できた街だから幽霊の量が少ないらしい
+ +夕方が落ちるまでなら そう言って少し遠くの橋まで歩く
+ +対岸の団地の灯りがいっせいに灯る 終末が来たかと思う
+ +せわしなく地面をつつく鳩たちの合間を駆け抜けたならセレモニー
+ +ハロウィンに渋谷にいるverの私でもあなたと一緒にいたと思うよ
+ +どの町にも一人はいはる狂人に俺はなるのだいずれ/いつかは
+ +女体なり食事薬や酒でなくもっと刺激をもっと刺激を
+ +安全に生きし男は今日も血とくるしみだけで生きてゆく筈
+ +叶うなら保護の全ても取り払い君と行くのだ当てもなく、ただ。
+ +漠然と不安漂う町中もきっと自販機下に百円
+ + B1F
バイタリティあるやつみんなつまんねえ お冷に虹の大陸を見る
1F
ボルヴィック並ぶ奥から瘴気の手、手は手と手に、手と手と手と手に
2F
瞬間をつなげて(勝手に回ってるあの換気扇)やってこれてる
3F
やるせなさの次へ行こうよ髪の毛が入って美味いコーンポタージュ
R
今日明日に稼働はないが今日明日に喫えるベンチも風もここだけ
アキバから消えた男はどこにいる馬喰町にもメイドはいたか
+ +田舎から祖母が見つめるスクランブルちょっと手を振る、約束ですから
+ +駅前で名刺をせがむ若者に銃を渡せば我に返るか
+ +多摩川を渡る獣のあたたかさ転居届は持っているのか
+ +東京は都市の合間に街があり果てにようやく人の住む家
+ +路地裏に古い看板が並ぶ風が吹いて心地よい日
+ +信号で青になってから進む足元を見てリズムを刻む
+ +商店は人が集まっていて笑顔が交わる空が明るい
+ +公園のベンチで猫が昼寝する太陽が沈む時間の流れ
+ +帰り道明かりが点いている窓の灯りが街道を照らして
+ +大気圏から、不可欠な建物や不要な路を、塗りわける雲
+ +電線で縫い合わされたヴェルヴェットアンダーグラウンドを横目に
+ +列車風だけで満たした時空間 侵略されることも厭わない
+ +たばこ屋でたばこを買っていることがこの街をこの街たらしめる
+ +本来の目的地には背を向けて最寄りの駅へ走る、(矛盾)と
+ + + +